e-Learning magazine (はじめてのeラーニング)

学びとインターネット (PC/タブレット/スマホ)

eラーニングとは 5【反転授業 後半】

 

前回の学校の話の続きです。

 

この学校では、インターネット上に

学習管理システム(Moodle ムードル)を

導入することで、意外なことにも役立ったという。

 

それはコンクールで歌う選曲選びだ。

 

今までだと、音楽を知っている生徒が選曲して、

それにみんなが従うという流れだった。

 

しかし、学習管理システム(Moodle ムードル)の

フォーラムを利用することで

さまざま意見が聞かれるようになった、という。

 

曲を知らない側にとっては選曲されても、

それがどんな音楽かわからないので、

自分の意見は言えない。

 

しかし、学習管理システムのフォーラムに

選曲した曲のアドレス(YouTubeなどのURL)を張ることで、

どんな曲かわかるようになる。

 

f:id:hkikuno:20160210080752j:plain

 

「私はこの曲がいい」

「私ならこの曲」

という意見がフォーラムに投稿され続けた。

 

こういうやりとりは、

授業やホームルームでやるより、

インターネットの方が効果的だ。

 

まず、聞く時間がある。

次に、選ぶ時間がある。

そして、自分の思いを伝える場所(フォーラム)と

確実に伝えられる方法(URL)がある、からだ。

 

つづく【次回からは接客業でのeラーニング導入実例を連載してゆきます】

 

イオマガジン代表 菊野ひとし

【 ㈱徳間書店、㈱ジャストシステムを勤務後、eラーニングのコンテンツ開発から学習管理システム(Moodle/ムードル)の構築・開発・運営・課金までトータルでコーディネイトする会社、(株)イオマガジンを設立し、本年で10年目。

http://www.io-maga.com 】

eラーニングとは 4 【反転授業 前半】

 

昨年4月からeラーニングをはじめたお客さまの話をしよう。

 

今回は、中学校、高等学校での導入事例だ。

目的は反転授業の導入------。

 

反転授業について少し説明すると、

動画などを使って、教室で受けていた講義を自宅で行い、

自宅で行っていた宿題を逆に教室で行うものだ。

 

利点は理解度が違う生徒がオンライン動画なので、

自分のペースで学べ、翌日、わからないところを

教室で先生などへ聞ける点だ。

つまり、今までと逆なので「反転」授業と呼ばれている。

 

この学校では、すべての科目で、

反転授業がはじまったわけではないが、

「授業が楽しくなった」という生徒さんの声を耳にする。

 

eラーニング教材は、先生が自ら作成した動画や

PDFファイル、テスト問題などがメインで、

それを生徒は、自宅やPC室で受講する。

教材を載せるプラットホームはオープンソースの

学習管理システムMoodle(ムードル)である。

 

f:id:hkikuno:20160204074846j:plain

 

効果はあらわれたか? 

とっても気になるが、その質問は、時期尚早だろう。

 

 ただ、私の昔を思い出して思うのは、

授業って、先生の話を聞くだけの、一方通行のものだったという記憶。

 

わからなくても質問などできる

雰囲気でもなかった。むしろ、質問自体が思い浮かばないアホでもあった^^

 

ここでは生徒が予め動画を見てくることで、

授業は各グループに分かれ、わからないことをグループごとで解決していく、

という能動的なものになったという。

そこでの先生の役割は、教えるというよりファシリテーター役だ。

 

こんな授業なら眠くもなりませんよね。

あっ、また下世話な話ですいません^^

 

つづく

 

イオマガジン代表 菊野ひとし

【 ㈱徳間書店、㈱ジャストシステムを勤務後、eラーニングのコンテンツ開発から学習管理システム(Moodle/ムードル)の構築・開発・運営・課金までトータルでコーディネイトする会社、(株)イオマガジンを設立し、本年で10年目。

http://www.io-maga.com 】

 

eラーニングとは 3【eラーニング教材】

 

eラーニングの教材について考えてみる。

 

eラーニング教材は、ここに至るまでにもアニメーションがベストか?

パワーポイントがベストか? 映像か? 音声か、

などなどいろいろな選択肢があった。もちろん、今でもありますね^^

 

当初、eラーニング教材は、作り手側として、

インターネットを使うのだから、

デジタルならではの魅力が追求された。

 

文字だけのコンテンツなど論外で、

シミュレーション型コンテンツのような

インタラクティブ(双方向)性が求められた。

 

Flashを用いた紙芝居型の

アニメーションコンテンツも同時に求められた。

 

これらの教材は、ストーリー性やゲーム性があり、

評判は悪くなったが、問題もあった。

コストと制作時間があまりにもかかるのだ。

 

そんななか、

eラーニング教材のひとつの契機をつくったのは、

サルマン・カーン「ビデオによる教育の再発明」だと私は思っている。

https://www.ted.com/talks/salman_khan_let_s_use_video_to_reinvent_education?language=ja

*ご覧になってない方はぜひ! 15分ほどの映像です。

 

f:id:hkikuno:20160128081322j:plain

 

なぜか? 

 

ここで、主語が教材を作る側から、教わる側、

つまり学ぶ側へパラダイムシフトしたと思っている。

 

ビデオの内容を簡単に説明すると、

サルマン・カーン氏は当初、従兄弟へ直接、勉強を教えていた。

ただ距離があったため、教える内容を動画にしてYouTubeへもアップしていた。

 

すると、従兄弟はカーン氏から直接、

教わるよりもその動画を歓迎したのだ^^。

 

教わる側のことを想像してみてほしい。

 

学ぶ側は、教える側に配慮する。わからない箇所を何度も聞きにくい。

ところがビデオならわかりにくい個所があれば、

何度でも繰り返し見ることができる。

 

ここで、教材を作る側から学ぶ側へ、主語がシフトしたのだと思う。

 

教わる側のことを考えれば、自分のペースで学べれば、

映像でもアニメーションでもなんでもOKなのだ。

 

あとは作る側の制作時間と、コスト面を考えれば、

最短距離としての教材の形にたどり着く。

 

つづく。

 

イオマガジン代表 菊野ひとし

【 ㈱徳間書店、㈱ジャストシステムを勤務後、eラーニングのコンテンツ開発から学習管理システム(Moodle/ムードル)の構築・開発・運営・課金までトータルでコーディネイトする会社、(株)イオマガジンを設立し、本年で10年目。

http://www.io-maga.com 】

eラーニングとは 2 【主語が管理者】

 

前回、ほとんどの会社のeラーニングは「主語が管理者」と書いた。

 

これをもう少しだけ説明すると、

例えば社員に「自社のコンプライアンス」を理解させたい、とする。

(もうこの時点で主語は管理者ですね^^)。

 

すると、

冊子のようなものをつくって配布する方法が浮かぶ。

しかし、

それだと全員が読んだか? きちんと理解したかどうかは不明。

もちろん、

紙のテスト問題を作って、社員の理解度を確かめることもできる。

ただ、それだと煩雑ですよね?

 

そこでeラーニングが登場するわけです。

 

 f:id:hkikuno:20160121081145j:plain

 

管理者は、社員に自社のコンプライアンスを理解してもらうための教材をつくる。

次に、

管理者は、自社のコンプライアンスの教材をWEB上にアップする。

そして、

管理者は、すべての社員が見たかどうかをWEB上で確認する(これができる仕組みが学習管理システムです)。見てない人がいれば、メールで催促も可能。

さらに、

管理者は、社員がきちんと理解したかどうかWEB上でテスト問題を提出して確認する。

といった流れになります。

 

なんだか、文字にすると冗長的になりますが(私の説明が下手、ということでもありますね^^;)、社員に理解させたい、という管理者の立場を想像すると理解できると思います。

 

もちろん、主語が学ぶ人であるラーニングも

当然あって然るべきだと思いますが、

一方で管理者が主語の流れもあって然るべきですよね^^

 

イオマガジン代表 菊野ひとし

【 ㈱徳間書店、㈱ジャストシステムを勤務後、eラーニングのコンテンツ開発から学習管理システム(Moodle/ムードル)の構築・開発・運営・課金までトータルでコーディネイトする会社、(株)イオマガジンを設立し、本年で10年目。

http://www.io-maga.com 】

 

eラーニングとは 1 【2016年版】

 

 eラーニングという言葉は難しい。

すでに知っている人もいるし、はじめて聞く人も多いだろう。

 

 eラーニングは、広義の意味では「情報技術を用いた学習」のことだ。

つまり、YouTubeに学習用の映像を載せて、

学ぶ人がスマホから見てもeラーニング、というカテゴリーになる。

 

しかし、これは多くの企業で行なっているeラーニングとは違う。

現在のeラーニングを定義すると「主語が管理者」。これがeラーニングだ。

 

 f:id:hkikuno:20160113145615j:plain

 

つまり誰が見たのか? 誰がどのくらい教材を進んだのか? 誰がどれくらい理解できたのか? という管理者の立場にたったものである。学習用のコンテンツだけつくってWEBにアップしただけではeラーニングとは呼べない。そこには学習者を管理する仕掛けがないからだ。

 

今、業界内で言われているeラーニングは、コンテンツだけではなく、

それを管理するプラットホーム=学習管理システムを含めてのこと。

コンテンツとプラットホーム、この2つがあって、eラーニングが始まるわけだ。

 

主語が管理者ではなく受講者、という

アダプティブラーニングという言葉も出てきている。

 

ここでは狭義のeラーニングから、それ以外の流れについても

いろいろとふれていきたい、と思っている。

 

イオマガジン代表 菊野ひとし

【 ㈱徳間書店、㈱ジャストシステムを勤務後、eラーニングのコンテンツ開発から学習管理システム(Moodle/ムードル)の構築・開発・運営・課金までトータルでコーディネイトする会社、(株)イオマガジンを設立し、本年で10年目。

http://www.io-maga.com 】