eラーニングとは 8 【接客業の研修③】
「言い訳ができない動画づくりを目指しています」とは教育担当者。
たとえば、手を消毒する際の手順について説明する動画では、
一つ一つの動作に対して、テロップを入れ、
滞りなく一連の動作ができるように丁寧につくられている。
「間違いなくできるように動画は制作しています。ですから、
動画を見た人は、言い訳はできないはずなんです(笑)」
テキストで伝えようとすると勘違いも起こる。しかし、手を消毒するなどの一連の動作の教材であれば、テキストより動画の方が有効だ。
また、eラーニングで動画を配信するようになってからは、
教材に対してスタッフから注文もくるようになったという。
たとえば、技術を教える動画についてだ。
「いままでは、技術を教える場面は、
正面から撮影していましたが、スタッフから
『技術者目線で撮影してほしい』といわれました」
正面からの撮影では、いざ自分がトライするときに
左右の手が逆になるが、技術者目線で撮影すれば、
頭の中で左右を反転させる作業は不要となる。
そう考えると、正面からの撮影は、作り手側の視点なのだろう。
全体を俯瞰して、一見、わかりやすそうに見えるし映像としての完成度も高い。
しかし、実際に学ぶ側のスタッフにとっては、
それよりももっと実用的なアングルが必要なのだ。
今後、eラーニングにとって動画教材はますます不可欠な存在になるが、
教わる側の目線で考える、これもひとつのキーとなるのだろう。
つづく
イオマガジン代表 菊野ひとし
【 ㈱徳間書店、㈱ジャストシステムを経て、eラーニングのコンテンツ開発から学習管理システム(Moodle/ムードル)の構築・開発・運営をトータルでコーディネイトする会社、(株)イオマガジンを設立し、2016年で10年目。http://www.io-maga.com 】